昔からよく「健康のために1日 1 万歩歩きましょう」と言われてきましたが、これは本当なのでしょうか。そもそも、どこから 1 万歩という言葉が出たのでしょうか。実は日本で販売されている歩数計の登録商標名だそうですよ。

さて本題に戻りますが、2021 年 11 月に米国心臓協会年次集会が、歩数と心血管疾患との関係について調べた研究結果を報告しました。この研究は、約 1 万 6 千人を 1 日の歩数で 4 群に分けて、心疾患、心不全、または脳卒中について、それらのリスクと歩数の関係を解析しました。
その結果、歩数が増えるほど心血管疾患のリスクが低減することが明らかになりました。1 日 9487 歩歩いた群は 1951 歩しか歩かなかった群に比べ、半分以下のリスクだったそうです。日本の厚労省のホームページにも、身体活動や運動は総死亡、虚血性心疾患、生活習慣病一部の癌やメンタルヘルスにも有効で、対策として「1 日 1 万歩以上歩く」「日頃から乗り物やエレベーターを使わず歩くようにする」などを目標例に挙げています。

皆さん、明日から、いえ今日からさっそく歩いてみませんか ! ?

このコラムを書いた医師


神戸徳洲会病院 総合内科 松岡幸代医師