「塩分を摂りすぎると血圧が高くなる」「血圧が高いので塩分を控えましょう」とは、よく言われます。
では、血圧と塩分(食塩)はどのような関係があるのでしょうか。
日本人の食塩摂取量は以前から多く、最近は減少傾向にありますが、世界的にみるとまだ多い状態です。
食塩の摂りすぎは高血圧をはじめ、種々の健康障害をもたらすと考えられています。
食塩を減らすと血圧が下がることは明らかで、高血圧治療の減塩は強く推奨されています。
今回は食塩の摂りすぎで血圧が上がる原因を解説します。

血圧が上がる原因


血圧が上がる原因は、食塩と浸透圧と交感神経の関係が密接に関わっています。



浸透圧


食塩(ナトリウム)を過剰に摂取するとその濃度を薄めるために、水分を欲します。
これにより血液量が増え、心臓がより大きな力を必要とするため血圧が上昇します。
それに伴い、貯留した塩分や水分を腎臓から、ろ過して排泄するためさらに血圧は上昇します。

交感神経


食塩の中のナトリウムは血管を収縮させる働きをする交感神経を緊張させます。
必要以上のナトリウムを摂ると血管を縮める働きが活発になり、血圧も高くなります。

適切に塩分を摂り、健康に過ごしましょう


食塩は人間の身体にとって、必要不可欠な栄養素です。
しかし、摂りすぎると身体に異常をきたします。
減塩を心がけましょう。

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「血圧と食塩について」は、第16号 2017.11.19 栄養通信に掲載されています。
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