2019.01.01
体を温める食材として知られる生姜。
万能薬と言われ、漢方の生薬や民間医薬として今でも利用されています。日本でも昔から薬味として使われてきました。
近年、健康志向から注目があつまる生姜ですが、食べ方によってその効能は異なります。
寒さが身にしみるこの季節、冷えに効果的な生姜の摂り方を紹介します。
冷えに効果的な生姜の摂り方
生姜は食べ方によって効能が違います。
それぞれの食べ方と効能と冷えに効果的な食べ方を紹介します。
生の生姜(ジンゲロール)は風邪対策に効果的
生の生姜には辛さのもとになる「ジンゲロール」という成分が含まれています。
ジンゲロールは、血管を拡張させて血のめぐりを抑止、体の深部の熱を手足などの末端に広げる効果があります。
つまり、手足を素早く温めてくれますが、深部は熱が奪われるため、体温はやや下がります。
生の生姜は冷えの解消に摂ることは、逆効果になります。
生の生姜は風邪のひきはじめに良い
ジンゲロールには、強い殺菌作用があります。
そのため、お寿司と一緒に食べるガリは食中毒の予防になります。
また、ウィルスや菌に効果を発揮するため、風邪のひきはじめに良いとされています。
加熱・乾燥させた生姜(ショウガオール)は冷え対策に効果的
ショウガオールとは、生の生姜に含まれるジンゲロールが加熱・乾燥によって変化したものです。
ショウガオールは、胃腸を内側から刺激して血流を高め、体の深部の熱を作りだし、体を温めます。
体温自体が低い冷え性のかたには、加熱・乾燥させた生姜を摂ることをおすすめします。
また、ショウガオールは、生理痛をはじめとする「痛み」や「炎症」の元になるプロスタグランジンというホルモンの働きを抑える作用があることが分かっています。
冬におすすめする生姜の摂り方
冬におすすめの生姜の摂り方は生姜紅茶です。
生姜と薬膳的に温性の紅茶を合わせた冬に飲みたいドリンクです。
ショウガオールの多い乾燥生姜を使えば、効果は倍増します。
お好みで黒砂糖やはちみつを加えると飲みやすくなります。
注意点!
紅茶はカフェインを多く含みます。妊娠中のかたは注意しましょう。
また、覚醒作用や利尿作用があるため、夜寝る前なら、紅茶を豆乳などにかえて飲むのも良いでしょう。
生姜の摂取量
生姜の摂取量は、1日10gが目安です。
摂りすぎると腹痛や下痢になることがあるので、食べすぎには注意しましょう。
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