この度は、当院における医療安全上の問題に関し、患者様ならびにご家族様に多大なご心配とご迷惑をおかけいたしましたこと、深くお詫び申し上げます。

2023年7月、当院循環器内科カテーテル治療・検査において、複数件の死亡事案が発生したとの内部からの外部通報を受け、神戸市保健所による立ち入り調査が入り、その後大きく報道されることとなりました。2023年8月には神戸市より医療安全上の問題を指摘する「行政指導」を受けましたが、その後も循環器内科カテーテル以外で同様の事象が複数発生し、それらについて適切に対応ができていなかったことから、2024年2月には医療法人徳洲会に対して「改善措置命令」が出されました。
このような事態は、当院がこれまで「患者安全」を十分に重視して病院運営を行ってこなかった結果であり、深く反省しております。

循環器内科カテーテル治療・検査における事案につきましては、診療を開始した2023年1月から7月までの期間内に死亡退院となった事例が11件あり、合併症として検証を必要と判断した事例が1件ありました。このうち2件につきましては医療事故調査制度に基づき調査が完了し、いずれもご家族への説明を実施いたしました(内1件は医療過誤であることを認め、ご家族へ謝罪、もう1件は引き続きご家族様及び代理人の方とやり取りを実施)。その他の9件と合併症症例1件の計10件については個別検証を完了し、現在ご家族への説明会を行っているところです。
また、循環器内科カテーテルの問題以後に発生した3件につきましては、糖尿病見落とし事例については医療事故調査制度の対象として調査が完了しご家族へ説明を終え(医療過誤であることを認め、ご家族へ謝罪)、気管支鏡検査事例につきましては医療事故調査制度の対象として調査が完了し現在報告書作成中、昇圧剤交換遅れの事例につきましてはご家族へ説明を終え(医療過誤を認め、ご家族へ謝罪)ております。調査結果の報告に時間を要していること、重ねてお詫び申し上げます。これらの調査とご家族への説明が完了次第、速やかに結果を公表いたします。

私は2024年4月に院長に就任し、この問題を重く受け止め、医療安全体制の抜本的な改革を最優先事項として取り組んでおります。すでに、「行政指導」と「改善措置命令」に対する是正計画書および改善計画書を神戸市に提出しており、2024年6月6日には神戸医療圏地域医療調整会議・病床機能検討部会にてその実施状況を説明いたしました。この場では、大変厳しいご指摘とご意見をいただきました。
これらの意見を真摯に受け止め、医療安全を専門とする大学教授のチームによる定期的な評価体制を構築し、「神戸徳洲会病院 医療の質改善委員会」を立ち上げ、改善計画に基づいた取り組みを進めております。さらに、病院機能評価機構による第三者評価を2025年9月に受審することを決定し、今回の改善計画と並行して取り組んでまいります。

これらの取り組みや評価内容については、当院ホームページ上で定期的に公表し、地域の皆様や関係者の皆様に透明性を確保いたします。

神戸徳洲会病院は、今回の反省を踏まえ、以下の「患者安全宣言」を掲げ、地域の皆様の信頼回復を目指してまいります。

神戸徳洲会病院 患者安全宣言
  1. 患者安全を最優先し、生命を安心して預けられる病院を目指します。
  2. 透明性ある医療を提供し、患者様やご家族様への説明と同意を徹底します。
  3. 全職員が医療安全に関する知識・技術を習得できるよう、継続的な教育研修を実施します。

神戸徳洲会病院が、患者安全を優先した信頼される病院として地域に貢献できるよう、職員一同、一丸となって取り組んでまいります。何卒ご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

2024年8月1日
神戸徳洲会病院 院長 尾野 亘