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スタッフブログ

2021年9月13日 スタッフブログ

NCPR講習を実施しました。

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8月28日(土)医師・助産師・看護師向け「専門コース」
9月8日(水)救急救命士・看護師向け「プレホスピタルコース」

「コロナ+産科救急」の救急搬送困難事例が増えている状況では
周産期専門職だけではなく、産期医療を専門にしない救急救命士さんや外来看護師さんも含めた病院全体で妊産婦を受け入れていく準備・感染症対策が必要になるため
当院の医師や看護師、救急救命士を対象としたNCPR(新生児蘇生法)講習を行いました。

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なぜNCPR講習を行ったのか

2021年8月、千葉県で新型コロナウイルスに感染した妊婦の入院調整ができず、自宅療養中に出産した新生児が死亡するという痛ましい事案が発生しました。また最近では新型コロナウイルスに感染した妊婦が遠く離れた病院に搬送されるなど、広域で入院調整を行うケースが相次いでいることが問題となっています。
同様の事故を起こすことがないよう、また地域のために神戸徳洲会病院の周産期チームがどんなことができるかを考えていました。
もともと周産期医療は慢性的な医師不足の状態に、コロナ感染や感染疑いの妊婦への感染対策などの新たな課題が重なり、さらに深刻な状態となっています。今回、コロナウイルスという感染症に直面し、痛ましい事案を経験することで沢山の準備できていない部分が露呈し、その問題に対して正面から取り組む必要が生じました。

一つは、コロナウイルス感染や感染疑いの妊婦に対する対策です。コロナウイルス関連の妊婦を受け入れる際は、院内感染を防ぐために、ゾーニング・施設の整備の準備が課題になります。
そしてもう一つは、コロナウイルスに感染し自宅療養中に自宅分娩してしまった搬送先のない母子の受け入れができるよう準備することです。

今後の課題

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離島・へき地の周産期医療は、人員や資器材が貧弱な上、救急の際の搬送、またこのコロナの感染状況など考慮すると極めて深刻な状況だと想像します。
多くは島外や大規模病院での分娩を予定することになると思いますが、分娩予定前の急な出産や、隠れ妊婦、またコロナで自宅療養中の妊婦などがいると産科を得意としていない一般診療所などでもお産を取り扱う必要が出てきます。

生まれてくる新生児の約10%は何かしらの医療的な介入が必要だと言われていますが、その様な予想外の分娩はより高度な医療介入が必要になることが予想されます。
周産期医療はなかなかとっつきにくく敬遠されている領域であり、専門職以外が関わる機会は少ないと思いますが、分娩を実施している離島・へき地地域においては周産期専門職に限らず、医療従事者への新生児蘇生のスキル習得と緊急物品や薬剤の備えが重要と考えます。

出張開催致します。

新生児蘇生法講習会とは新生児蘇生技術を習得するための講習会であり、そのうち「専門コース」では医師・助産師・看護師など専門職を対象とした一般的な講習会です。今回、当院で行った「プレホスピタルコース」は全国的にも開催は珍しく、施設外分娩を想定しており、周産期医療を専門にしない救急救命士や看護師を対象として、人員や資器材が揃っていない状態での蘇生を想定しています。

専門性の高い物品や設備や人員がなくても、現場の資器材で分娩に対応準備するのが新生児蘇生法講習会の今回開催した「プレホスピタルコース」です。
今後の展望としては、周産期専門職がいない離島やへき地での新生児蘇生法の講習会を行い、「いつでも、どこでも、誰でもが、最善の医療を受けられる新生児医療」を目指しています。

地域や場所や規模を問わず日本全国の施設で、新生児蘇生法講習会(Aコース・Bコース・Sコース・Pコース)を出張開催いたしますので、もしご興味のある施設がありましたら、ご連絡ください。
【お問い合わせ】神戸徳洲会病院 総務課 TEL:078-707-1110(代表)

講師

泉井 雅史(いずい まさふみ)

小児循環器や川崎病を専門としNCPRのインストラクター資格を所有。
年間500例の分娩を取り扱う地域周産期医療センターのNICU・小児循環器科医として勤務し、早産・低体重児・呼吸障害の新生児などの蘇生や処置管理を経験。
当院の小児科・周産期医療立ち上げの為、2021年赴任致しました。

  • TEL078-707-1110